この花はクルクマと言います。原産国はタイです。なんとなく蓮の花を思わせる色と形状です。
なのでお盆のときのお供えのアレンジなどに使われます。人気があるのでしょうね、夏のはじめから
ずっと市場に出続けて、色も白とピンクがあります。写真の大きい方がスタンダードです。でもこの小さい方を市場で見つけたときは「きゃーかわいいのみっけ!」と声をあげてしまいました。クルクマは保ちがよいので私はこれを仏花の脇に入れてます。なんだかありがたい感じに仕上がります。このサイズがいいんですよねえ。
ギフト用の花やウェディングの花がメインの仕事ばかりやってきたので、仏花を組むのは10年ぶりぐらいでした。最初は戸惑ったりもしましたが、そもそも人類が花を飾ろうとした原点というのは崇拝するものへの供物であったり、亡くなった人への供物ではなかったのかな、と気づきました。お誕生日だからとか結婚だからとかで花を贈り合うのは、ごく最近のことで、装花という歴史の中ではまだまだ若いほうなんだと。花を売るということを生業とする以上、お墓の花や仏様の花を除外しては花贈りの本質は見えないのかもしれません。ウエディングの装花の歴史より葬送の装花の歴史のほうがうーんと長いし(多分)。
人が「花を贈りたい」という気持ちにかられる瞬間を想像するには、こうしたことを頭にいれておいたほうが 理解が深まるような気がします。仏花や墓花をお花屋さんで買わなくてはならない、花屋は必ず仏花や墓花を置かなくてはならないというわけではありません。庭で咲いた旬の花を仏壇に手向けてそっと手を合わせる、それは亡くなった人にもその花を愛でてもらい癒されてほしいからだということを覚えておくだけでいいんです。仏花や墓花とは目に見えない相手への贈り物です、故人を大切に思う気持ち、持ち続けていきたいです。
クルクマに限らず、小さくて保ちがよくて仏花に適する花を見つけるとうれしくなります。これからも
素敵な出会いがあるといいなあ。