この業界に身を置いて、はや20年、けれど花の生産されているところをこの目でみたことがありませんでした、はい、勉強不足です。けれどこの度なんとバラ農家さんを見学させていただけるツテを得ることが出来ました!これはとても幸運なことです!(仲良しなご近所さんがなんとバラ農家さんとお友達だったのです)
くりの木のある三重県北部から車で1時間と少し、三重県中勢地方にある丸山バラ園さんにお邪魔しました。今まで不思議に思っていた数々のことを質問させていただきました。そのどれもに丁寧にお答えいただき長年の疑問が解けてすっきりしました。私たちの知らないこともたくさん教えて頂きました。温室の中はバラの香りで満ちていました。私は長い間、あのまっすぐで長い茎のバラを育てるにはバラの花首を天井から引っ張っているんだろうか、と疑問に思っていたのですが、それはないようです。確かに昔はそうしていたこともあったそうですが、種苗会社が首を引っ張らなくてもまっすぐ茎が伸びる品種を売り出しているので、倒れるのを防ぐだけで大丈夫なんだそうです。 丸山さんが卸している市場は私が仕入れにいく市場ではないので私の聞いたことのない品種も栽培していらっしゃいました。それが写真のバラ、このなんとも言えない茶色の複色のバラは「コーヒーブレイク」といいます。このバラは初めて見ました。なんとなく似ているバラは見たことあるような気がしますが、これは初めてです。見たことのない色合い、そしてその色の美しさにしばし声を失いました。が、丸山さんがおっしゃるには「市場では人気が無い」とのこと、不思議です。こんなに渋くて美しいのに。私なら絶対買っちゃうな、くりの木のお客様も好きそうな色です。
鈴鹿山脈を背に広がる田園風景のなか、素敵なご夫婦がバラ農園をされていました。そこで見たバラは
仲買人さんのところで見るのとも、店に並べているのとも、まったく違う表情でした。新しい発見や疑問の解明とともに、とても癒される場所でした。
生産者さんあっての花卉業界です。これからも生産者さんに感謝しつつ、大切にその花をお客様にお届けしたいと改めて思いました。丸山さん、本当にありがとうございました。