若い女性のお客様、
お仕事帰りに寄って下さったようで「プレゼントってわけじゃないんだけど花束を渡したいんです、親に」と、はにかみながらおっしゃいました。
「ご結婚記念日か何かですか?」
「あ、いえ、誕生日なんです」
「そうなんですか」
「あ、私の誕生日なんですけどね」
「!」
「なんか、その〜、誕生日を迎えられたお礼っていうか、その、なんていうか、いや喜んでもらえるか分からないんだけど、あ、私二十歳になったんですよ、だからその記念っていうか。うわ、気持ち悪がられるかな」
と照れくさそうに話してくださいました。私感動しました、そしてもちろん心の中でガッツポーズ!
「実は私も先日誕生日でして初めて親に花束を渡したんですよ」と言わずにはいられませんでした。花束を作りつつ色んなお話をさせていただきました。
学生の頃はあまり親御さんとしゃべらなかったけど社会人になって、とても仲良くなったこと、先月迎えた成人式のことなど。
「メッセージカード書かれますか?」にはにかみながら頷かれ、「お父さん、お母さん、産んでくれてありがとう」と書かれました。
その文章を見たとき、心がふわっとあったかくなってじーんときちゃいました。フローリストやっててよかったなあとまたもや実感しました。
まちがいなくその晩、そのご家庭では幸福な時間が流れることでしょう、その隅には贈られた花束があることでしょう、ちょっぴりですがその一端を担えたんだ、ってとてもうれしく思いました。
それにしても私が40を越えてから初めてした、この「自分の誕生日に親に感謝する」行動、彼女は弱冠二十歳でやってのけたのです!
これにもびっくり。恥ずかしながら私、二十歳のころなんて「全部自分自分、お誕生日はみんなからお祝いしてもらうもの!」てな態度でいましたから、彼女を尊敬しました。なんて素敵な人なんだろうって思いました。
きっとご両親もすばらしい方たちなんでしょうね。